しげるです。
です・ます調がしっくり来ないので、だ・である調で書いてみる。
1日目は、設営しながら飲んだり雨対応したりBBQしたりしているうちに、酔っ払って終わり。
そして2日目は、日付が変わった8月18日木曜日の深夜から……。
起床(深夜)
深夜1時半。
爆睡しているところを、雨で叩き起こされた。
線状降水帯が、キャンプ地を襲ったのだ。
昨夜は、フライシートの入り口部分をロールアップした状態で就寝していた。
インナーテントはフルメッシュなので、タープなしなら雨が吹き込んでくることは十分あり得る。
そう、タープなしなら。
おそるおそるテントから顔をのぞかせると……タープは綺麗に倒れていた。
あわてて大雨の中へ飛び出し、本、ラジオ、ランタン、モバイルバッテリー等々、濡れたらまずそうなものを前室に放り込んでいく。
その結果が次の写真。絶望しかない。
しかも、放り込んでから気づいたのだけれど、前室も浸水していた。
浸水しているところに荷物を放り込んでいくというのは、さぞ滑稽な姿だっただろう。
◇◇◇
ところで、なぜ前室が浸水してしまったのか。
もちろん横殴りの雨風のせいもあるだろうが、それ以上にグラウンドシートをかなりいい加減に敷いていたからだ。
前日の設営を見てみる。これはダメな張り方。0点である。
分かりにくいので図解してみる。
雨が降ると、タープから落ちた水がグラウンドシートに溜まり、前室やフロア下に広がってしまう。
またタープがなければ、フライシートからの雨水がグラウンドシートに直接流れ込んでしまう。
当然、前室の荷物は濡れるし、テントの性能によってはフロア内にも浸み込んでくる。
だから、グラウンドシートは、基本的にフライシートより外側にはみ出したらダメ。
少し考えればわかることだし、知識も持っていたはずだった。
だが、「さっさと設営終わらせてタバコ吸いたいビール飲みたい釣りしたいゆっくりしたい」等の欲が勝ってしまい、いい加減な設営をしてしまった。
要するに、「身に染みて理解していなかった」ということだろう。頭でっかちだった。
幸いにも、テントの性能(耐水圧3,000mm)が良かったのか、おそらくグラウンドシート全体がビショビショになっていたにも関わらず、床上浸水はほぼなかった。
(正確には、若干の水は入っていたが、これが外からの雨風によるものなのか浸水によるものなのか判別できない程度の少量だった)
◇◇◇
その後、テント内で一服し、心を鎮めてから外の様子を確認。
見事にポールが倒れ、タープは地面にベチャーっと貼り付いていた。
干していた衣類やバスタオルなども、地面に落ちて泥まみれ。
内心では「うーわ最悪や」とつぶやいたりしていたのだが、実際には言うほど最悪ではない。キャンプって、まぁこんなものだと思う。
テントは吹き飛んでいないし、安眠できる環境も維持できている。
落雷や崖崩れに備えて避難しないといけない状況、というわけでもない。
経験を重ね、対応力を高めていけば、こういうトラブルの頻度とかは、間違いなく減る。
しかし、それでもこんな風になるときはなる。
「明日があるさ」の精神―――諦めと切り替えを大切にしたい。
……とまぁ、何やら偉そうなことを考えながら確認作業をしていたわけだが、実はこのとき、シャツもズボンも脱いでパンツ一丁だった。服が濡れるのも嫌なので。
夏の深夜に、たいそうご立派なことを考えながら、嵐の中を徘徊する半裸中年男性。
事案である。
◇◇◇
そんなこんなで確認作業完了。
サイトを建て直そうかとも思ったのだが、諦めることにした。
常夜灯は点いていても薄暗いところがあるし、雨風もまだまだ終わりそうにないし、何よりとても眠たかったので。
泥まみれの体を水シャワーで流してテントに戻り、乾いている雑巾数枚で全身を拭いた。
バスタオルも泥まみれだったから……。
横になったら即寝した。
そして朝。
夜が明けて、6時半ごろに起床。
このときは、雨は上がっていた。
そして、サイトの惨状がこちら。
タープが吹き飛んでいる。
チェアツーは正立しているが、これは僕が触ったためで、最初はこの位置で横倒しになっていた。ロストしなくて本当に良かった……。
続いて、タープのペグを確認。
ELLISSEの赤ペグは、ほとんどはしっかりと刺さっていたが、1本だけ完全に抜けていた。
これは、設営時に「地面がちょっとぬかるんでるが大丈夫だろうか?」と、少し不安に感じた1本である。
やはり、土の状態は大事な要素なのだろう。
とは言え、100均ペグでも生き残ったものが多数あった。
「風で抜けるかどうか」については、土の状態だけでなく、ペグの打ち込み方、風の方向・強さなどの影響も大きいのだろう。
そして、各種ギアの様子を確認。
見るからに絶望的である。
買ったばかりのラジオ。水まみれ、泥まみれ。
おそるおそる電源を入れる。
爆音でピーーーーーガーーーーーと叫ぶだけだった。
一縷の望みを懸けて、陰干し。
モバイルバッテリーも同じ状況。
さすがにスマホへの充電を試すのは怖すぎるので、ラジオと同じく陰干し。
◇◇◇
その他もろもろのギアも含め、ダメージを以下にまとめる。
テント
全く問題なし(フロア内を軽く拭く程度)
タープ・グラウンドシート
泥まみれなので洗い・乾燥が必要。
IT機器
泥まみれのラジオ・モバイルバッテリーは要清掃&乾燥。
ランタン
・GENTOSのLEDランタン……使えるが、泥の嚙み込みでホヤの着脱に違和感アリ。
・Epiのガスランタン……異常なし。
・ダイソーの500円ランタン……ロスト
ガス系火器
・イワタニのガスストーブ……火が安定しない。火力が弱い気がする。
・イワタニのガスバーナー……火の出方が少しおかしい気がする。
・SOTOのガストーチ……泥の噛み込みにより、スイッチ操作に不具合あり。
燃料
炭の一部、およびスウェーデンマッチがびしょ濡れなので、要乾燥。
衣類・バスタオル・布系収納袋
泥まみれになったもの多数。洗い・乾燥が必要。
釣具
全体的に浸水しているが、乾かせばOK。
蚊取り線香ケース
びしょ濡れなので、要乾燥。
網シェルフ
意外にも、全然平気そうに耐えていた。
テントは、強風でもビクともしていなかった。
BUNDOK、侮れない……。
サイトの建て直しと飯盒炊爨
雨は、しばらく降ったり止んだりを繰り返した。
10時ごろにようやく完全に晴れ、ギアもちゃんと乾かせるようになった。
11時過ぎ、洗い物や掃除、建て直し等が完了。
ゆっくりとした作業だったとは言え、再建に4時間もかかってしまった。
布類は全然乾いていないし、電子機器も色々とヤバいのだが、頭を切り替えて昼飯とした。メニューはボンカリー。
水没したガスストーブの試運転も兼ねて、ご飯を炊く。
Alpinistaのウインドスクリーンは、ぴったりサイズでとても良かった。
お米用の量りを持って来ていなかったので、適当に米を入れ、指の関節を使って何となくで水を量り入れて、着火。
……火力がかなり弱い気がする。炊けるまでにどれだけかかるのだろうか。
イワタニのストーブは、これが初使用。泥まみれになる前は使っていないので、これが本来の性能なのか分からない。
しかし、明らかに弱すぎる。
内部に泥が詰まっているのかもしれない……。
吹きこぼれに対応したり、湯気の匂いを嗅いでみたりしつつ面倒を見る。
少しお焦げの匂いがしてきたので、30分が過ぎたあたりでフタを開けてみた。
超ベチョベチョだった……。
まぁ、芯が残っているよりは、全然マシである。
いろいろアレな炊飯だったが、普通に食えた。
何せ朝抜きで作業していたから。うまい。
キス釣り・買い出し・展望台
食べ終わって休憩したら、サクッとキス釣り。エサはイソメ。
30分くらいで6尾釣れたので、これで終了。
ソロだと、釣りすぎても食べきれない。
エサじゃなくてパワーイソメ(ルアー)でもよかったかなと、ちょっと後悔した。
◇◇◇
夕刻が近づいてきたので、買い出しへ。
浜坂に出ようかと思ったが、いつも行っているお風呂(ユートピア浜坂)は木曜日なので定休日。
七釜温泉まで行くという手もあるのだが、まぁこの日はキャンプ場のシャワーで済ませることにした。
お風呂に入らないなら浜坂じゃなくてもいいので、鳥取県は岩美町のジュンテンドー&サンマートへ。
食料、氷、サビキ用のレンガを調達した。
◇◇◇
戻りしな、せっかくなので、キャンプ場の上にある展望台へ行くことにした。
たぶん、10年以上ぶりだと思う。
この展望台は、七坂八峠というつづら折れの坂道の途中に2か所ある。
交通量は東浜居組道路の開通で激減したが、180°カーブが連続するので、なんにせよ運転には注意を要する。
まずは、低い方にある展望台へ。
「魚見台公園」という場所。
公園の奥には、謎のお社が建っている。
「龍神堂」というお堂らしい。
石碑の表側に、詩が刻まれている。
岬に立つ 帰郷 草笛 息つづかず
西村蓼花
何かいいな、これ。
めっちゃ情景が想像できる。
あと「子供のころはできてたはずやのに……」という、大人あるあるな哀しみですよ。
この公園付近からは、写真のように、とても綺麗な景色が望める。
眼下には、浜辺側のキャンプサイトが広がる。
そういえばこのときは、お盆明けの平日の、もう夕方だったのだが、キャンプ場はいまだそこそこにぎわっていた。
若者グループや家族連れも、たくさんいた。
もちろん、昼間はもっと多かった。
駐車場には、ジオパークの看板が。
潮吹崎は、子供の頃に一度行ったことような記憶があるが、ほとんど覚えていない。
◇◇◇
続いて、上の展望台へと移動。
一組のカップルが、景色を眺めていた。
空気を読まず普通に駐車。
カップルは帰っていった。何かゴメン……。
この展望台からの眺めは、先の公園よりもさらに良い。
カップルで訪れたくなるのもわかる。
下に目をやると、激しい峠であることがよく分かる。
穴釣りで謎魚
展望台を満喫したのち、17時半にサイトに帰宅。
さっそくビールをプシュッとする。
ちなみにDAIWAのクーラーボックスだが、この時点でまだ氷が残っていた。
昨日の昼間に買った氷なので、24時間を軽く超えている。
「しゅごい」の一言に尽きる。
◇◇◇
キス釣り用のイソメが残っていたので、ビール片手に釣りをすることにした。
キスはもう要らないので、ブラクリで適当に穴釣り。
テトラの間に、カサゴがいるはずである。
しかし、いざ向かってみると、潮が若干満ちている状態で、テトラゾーンに行くのはちょっぴり危ない。
どうしてもカサゴが釣りたいわけでもなく、エサを消費したいだけだったので、適当にケーソンのつなぎ目の部分に落とし込むことに。
……謎魚が釣れた。
一瞬「ウナギ?」と思ったが、どう見ても違う。
Googleレンズ先生に訊ねたところ、どうやらギンポらしい。初めて釣った。聞いたことはあったが、これがギンポか。
そこはかとなく古代魚っぽい見た目。カッコいい……。
顔は、かなりハゼっぽい。
天ぷらにすると旨いらしいのだが、リリースした。
奇跡の復活とBBQ
夕陽も沈んだので、火熾しを開始。
水平線に浮かぶ漁火を眺めながら、湿気ている炭に悪戦苦闘。
なんとか熾すことができ、昨日買ったいい肉の残りと、今日釣ったキスをいただいた。
◇◇◇
そうそう、このタイミングで、陰干ししていたラジオの電源を入れてみたら、きちんと作動した。ラジオも、Bluetoothスピーカー機能も!
びしょ濡れで泥だらけ状態からの奇跡の復活。本当に良かった……。
おわりに
2日目はこれで終了。
明日は最終日ということで、朝マズメ釣りをしたいので、たぶん22時ごろに眠りに就いた。
雨に降られることも無く、平和な晩だった。
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